【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・
「お、おい!のび太!!」
ジャイアンの声に一度だけ足を止めたけど、そのまま会社を出ていった。何かから逃げるように。
家に帰った後、いつものように畳に寝転がった僕は、ジャイアンの言葉を思い出す。
(……これでいいのか、か……)
いいはずなんてない。出木杉に取られてもいいはずなんてない。ずっと一緒にいたんだ。ずっと、一緒になると思ってたんだ。
……だけど、実際は違っていた。しずかちゃんが女子高に進学してから、連絡を取る回数も極端に減った。高校を卒業すると、彼女は大学へ、僕は会社にそれぞれ通うようになり、連絡すらとらなくなっていた。
ごくたまに買い物に出かけたりはしていたが、しずかちゃんの仕事が忙しくなってからは、会うことはもちろん、話すことすらなくなった。
考えてみれば、しずかちゃんと疎遠になったきっかけは、中学を卒業したころかもしれない。
(……そういえば、ドラえもんがいなくなったのも、あの頃だったな……)
僕の脳裏には、セピア色の情景が甦っていた―――
――あの日僕は、進学先の調査票を片手に、家に急いで帰った。
『ドラえもん!!大変だよ!!しずかちゃんが女子高に―――!!』
……だが、僕の部屋には、誰もいなかった。
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