【日本にとって悪夢のシナリオ】トランプ氏と金正恩氏が手を取り合う!??
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エルサレムにはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地がある。1948~49年の第1次中東戦争の結果、エルサレム東部をヨルダン、西部をイスラエルが領有し、中間を国連が監視する非武装中立地帯とした。
しかし、ユダヤの聖地である旧神殿跡の「嘆きの壁」は東側旧市街にあり、巡礼できなくなった正統派ユダヤ教徒の不満が高まった。67年の第3次中東戦争のときにイスラエルが東部を占領し、一方的に首都を宣言した。イスラエルの行為は国連決議でも非難されているし、ほとんどの国が認めていない。
米議会は95年10月に、エルサレムを「イスラエルの不可分の首都」と認め、テルアビブからの米大使館移転を承認する法律を可決した。もっとも米国の歴代大統領は、中東の大混乱を避けるため、6カ月ずつ法律の施行を遅らせる大統領決定を行っていた。それが今月6日午後(日本時間7日未明)に抜本的に変更された。
〈トランプ米大統領は6日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、テルアビブにある米大使館の移転手続きを開始するよう国務省に指示したと正式発表した。/トランプ氏は、エルサレムの首都認定と大使館移転を義務づける米国内法が1995年に制定されたにもかかわらず、歴代大統領が実施を延期してきたことについて、「和平プロセスを前進させると信じての措置だったが、20年以上たっても和平に全く近づいていない」と指摘。今回の措置で「中東和平に対する新たな取り組みが始まる」と強調した〉(7日「産経ニュース」)
この決定に対して、世界規模で反発が強まっている。特にパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは7日、インティファーダ(反イスラエル闘争)開始を呼び掛け、イスラエルに対するミサイル攻撃を行っている。イスラエルによる報復で死傷者も出ている。「中東和平に対する新たな取り組みが始まる」見通しは全く立っていない。
トランプ氏の今回の決定は内政要因からとみられる。米国では、2016年の大統領選挙にロシアが干渉したのではないかという「ロシア疑惑」が大きな問題になっている。1日、米連邦捜査局(FBI)に虚偽の供述をしたとして起訴されたフリン前大統領補佐官は、ワシントンの地方裁判所に出廷して起訴内容を認め、司法取引で捜査に協力する意向を示した。この結果、トランプ政権に打撃を与える証言が出てくる可能性が高まった。
トランプ氏は、自らの中核的な支援者である親イスラエル的な宗教右派を固めるために、在イスラエル米大使館をエルサレムに移し、中東に大混乱を引き起こすことで、ロシア問題を政局の争点から外そうと試みたと筆者はみている。トランプ氏の国内政治基盤を固めるというもくろみは、今回の方針転換で宗教右派の支持が拡大するので、ある程度達成できるであろう。
しかし、中東が大混乱するのは必至だ。特にサウジアラビアやエジプト、トルコなど、米国にとって死活的に重要なイスラム国家がどの程度、本気で反発するかによって今後の国際情勢が大きく変化する可能性がある。いずれにせよ第5次中東戦争の勃発を防ぐために、トランプ氏も米国の外交当局も全力を尽くすことになるであろう。
率直に言うが、現在の米国に中東と北朝鮮の二正面作戦を展開する余裕はない。11月29日に北朝鮮が打ち上げた大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」は、米本土に到達する能力を持っているが、核兵器の小型化と弾頭の大気圏再突入能力を北朝鮮はいまだ獲得していないとみられている。現時点で北朝鮮の核弾頭付きの弾道ミサイルが米本土に到達することはないという見方が専門家の間では強い。
この状況が維持できるならば、トランプ氏が金正恩朝鮮労働党委員長と手を握り、北朝鮮の核兵器と中距離までの弾道ミサイルを容認する可能性は十分ある。そうなると日本全域は北朝鮮の核弾頭の付いた中距離弾道ミサイルの射程圏内に入ることになる。日本にとっては悪夢のシナリオだ。(作家・佐藤優)
アメリカのトランプ大統領が11月12日(日本時間)、北朝鮮の指導者である金正恩・朝鮮労働党委員長について「私が彼のことを『チビでデブ』と言わなければ、彼も私のことを『老いぼれ』と言って侮辱しないだろう」などとTwitterで述べた。
トランプ氏はさらに、同じツイートの中で次のように語った。
「よし、私は頑張って、彼(=金正恩氏)の友人になろうとしてみよう。それはいつかは実現するかもしれない!」
トランプ氏はこれまで、Twitterで金氏のことを「ロケットマン」などと呼んで度々「口撃」。北朝鮮が弾道ミサイルの実験をしたことについて批判してきた。
我らが素晴らしいレックス・ティラーソン国務長官に言ったのは、チビのロケットマンと交渉しようとして時間を浪費しているということだ。
レックスよ、エネルギーをセーブしよう。なすべきことをしよう!
ロケットマンへの宥和策は25年間うまくいかなかった。それがどうして今になって機能するだろうか。クリントンもブッシュもオバマも失敗した。だが、私は失敗しない。
ただ、今回のツイートの真意は明らかになっておらず、北朝鮮に対してトランプ政権が歩み寄りをみせるのかどうかは不透明だ。
引用元:http://www.sankei.com/premium/news/171217/prm1712170023-n1.html、http://www.huffingtonpost.jp/2017/11/12/trump-kim-jong-un_a_23274423/