【涙腺崩壊】妻子もかえりみず好き勝手遊びまわっていた俺。ある日突然「お母さんが子供を迎えに来ないから、お父さんに迎えに来てほしい」と保育園から連絡があって…

感動, 物語ヤンキー, 感動, 涙腺崩壊, 発達障害, 苛酷

ランドセルはあるので学校へは行っていない。

どこへいったんだ?
まさか。。。
まず間違いない。
サリナのところに行ったんだ。

俺はサリナに電話した。

 

サリナ
「こんな朝早くにどうしたの?」


「ハルがいなくなった。昨日喧嘩したんだ。」

サリナ
「えっ? どこにいったか分からないの?
わたしも急いで準備して探すね」


「いや。サリナは家にいてくれ。
もしかしたらお前に会いに行ったのかもしれない。
俺は思い当たるとこ探すから」

サリナ
「分かった。警察には一応連絡するね。
補導されてるかもしれないし。」

俺「分かった」

急いで支度して、
会社と学校に連絡を入れハルを探しに出た。

夕方になってもハルはまだ見つからない。

サリナからは何も連絡がない。
もしかして…
最悪の状況が頭によぎる。

途方に暮れる俺にサリナから着信が入った。

サリナ
「ハル見つかったよ。」

やっぱりハルはサリナに会いに行ったらしい。
電車で向かったのはいいが、
サリナの住む方とは逆の路線に乗ってしまったんだ。

迷子になって一人寂しかったろう。
結局駅員が保護し警察がサリナに連絡をした。

少し安心する俺。


「ありがとう。 迷惑かけたね。
じゃ俺迎えに行くから、
今ハルどこにいるか教えてくれる?」

サリナ
「いいの。 わたしに連絡あったから。
きっとハルも俺くんに会いにくいと思うの。
わたしにまかせてくれないかな?」


「分かった… 悪い…」

仕方がないとことだ。
今実際にハルと会って
何て言えばいいのか分からない。

サリナ
「またハルと会ったら俺くんに連絡するから。
安心してね。」

俺「あー… すまん…」

俺が迎えに行きたかった。
でもハルはサリナに会いに行ったんだ。
連絡を待つしかない。

俺は意気消沈し、重い足取りで家路についた。

その後ようやくサリナから連絡がきた。

サリナ
「俺くん? ハルは無事迎えにいけたから。」


「ハルは… ハルは…怪我とかしてなかった?」

サリナ
「うん。 すごく泣いたみたいだけど、今は大丈夫。
今日はハル、わたしが連れて帰るね」


「え… あー… ハルと少し話せないかな?」

電話越しにサリナがハルに問いかけている。

サリナ
「ごめん。 今日はハルも色々混乱したみたい。
また少し落ち着いてから連絡するね。」


「そっか… 分かった…」

一言元気な声を聞きたかった。
一言ハルに謝りたかった。
この時、
俺の中でどうしようもない不安を
掻き立てられていたのを覚えている。

3日してサリナから連絡は来ない。
俺からサリナに連絡するも、

サリナ
「ハルは今はまだ俺君に会いたくないって。」


「一言でいいんだ。 ハルと話したい」

サリナ
「俺君? ハルがどうして怒ったのか知ってる?」

そんなこと。。。
俺がハルのことブったからだ。
そう思ってた。


「初めてハルに手を挙げたんだ。
きっとショックだったんだよな…」

サリナ
「それもあるかもだけど。
ハルのおもちゃ。
ハルが何よりも一番大事にしてたモノなんだって。」

その言葉でハッとした。
バスのおもちゃ。
俺が初めてハルに買ってあげたおもちゃだ。


「ずっと昔に買ったモノだぞ。
そんなこと覚えてるものなのか…」

サリナ
「多分…覚えてるんだよ。
だってそれが大切なものだって
ずっと思ってきたんだよ。」

そう言えばいつも大事にしてた。
新しいおもちゃを買っても
それだけはいつもハルのそばにあった。
色褪せて傷だらけなのに。
ハルは大事にしてくれてたんだ。

俺は自分の不甲斐なさを知る。

今は普通に働き普通に生活を送れてる。
好きなものだって買えるんだ。
俺はあの日、
家を失いハルと2人人生のどん底にいた。
当たり前の環境もその頃は当たり前じゃなかった。
その頃の気持ちを、
小さなことがどれだけ幸せで大切なのか
忘れてしまっていた。

ハルにとっても俺にとっても、
このバスのおもちゃは一つの思い出で、
何より大切な宝物なんだ。

それを俺は簡単に買えばいいだなんて。。。
ハルの気持ちを踏みにじったのかもしれない。

言葉にならない気持ちが込み上げ、
ただ胸が苦しくなった。

それからすぐ、サリナから会いたいと言われ
ファミレスで会うことになった。

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