【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・

ストーリー, 感動

来たことに驚いたが、さすがに追い返すのは可哀想と思い、彼女を部屋に招き入れた。

実のところ、女の人を家に入れるのは、彼女が初めてだ。しずかちゃんも入れたことない。

少しだけ片付けをしたあと、僕は布団に戻る。彼女はそんな僕の横にちょこんと座り、引き続き部屋の中をきょろきょろと見渡していた。

その目は、好奇心旺盛な子供のようだった。

「……よくここが分かったね」

「うん。上司に聞いたの」

「……教えてくれたんだ」

……上司よ。個人情報とはなんぞや。

「……じゃあさっそく、キッチン借りるね。のび太くんは寝てて」

「あ、うん……」

そう言うと、咲子さんは持ってきていた花柄の赤いエプロンを身に付けた。

そして、軽快なリズムで、包丁の音を響かせ始めた。

「……」

不思議な光景だった。

僕は、料理をする彼女の背中を眺めていた。

前までは、こうして見る女性の姿は、しずかちゃんしかいないと思っていた。