【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・

ストーリー, 感動

 

「ええと……えへへへ……」

「笑って誤魔化さない!……まったくもう……」

口では怒っていても、咲子さんはどこか楽しそうだ。

――今の関係が続けばいい

僕は、そんなことを考えている。とても卑怯な考えだろうな。……最低だな、僕は……

その日の商店街は、人の波がうねっていた。いつもよりも人が多い。

こうして見れば、もう大多数の人が秋物の服に衣替えしていた。確か、地方の山では天然スキー場もオープンしている。

これからどんどんと冬に変わっていくのだろう。

季節は巡る。ぐるぐると。ダラダラ昼寝してても、目まぐるしく忙しい毎日でも、時だけは一刻一刻と移り行くのだろう。そう考えたら、少しだけ、時間というモノもどこか神秘的に思えてくる。

「ずいぶん人が多いね」

「うん、そうだね」

「これだけ多いと、迷子になるかも」

「へ~……咲子さんでも迷子になる時があるんだね」

「私じゃなくて、のび太くんが」

「ぼ、僕が?」

「だってのび太くん、けっこうドジだからね」