【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・
「……まあいいや。ねえ、行こ!」
「え?あ、ちょっと――」
彼女は急に僕の手を掴み、商店街を走り始めた。たくさんの人の中を抜けていく。
商店街の中で、走っているのは僕達だけだった。すれ違う人は僕らに視線を送る。
それすらも掻い潜るように、僕らは走った。
僕らが走る方向は、あの二人が消えていった方向とは逆の方向……
腕を引っ張られながら、一度だけ、後ろを振り返る。
――当然だが、二人の姿は、どこにもなかった。
しばらく走った後、僕らは高台の、見晴らしのいい公園に辿り着いた。
「はあ……はあ……つ、疲れたね……」
「はあ……はあ……さ、咲子さんが……走るからだよ……」
二人揃って、肩で息をする。辺りは少し肌寒くなっていた。
それでも、体は熱を帯びる。彼女の額にも、ほんのりと汗が滲んでいた。
「……あ~、空気が気持ちいい……!!」
一足先に呼吸を整えた彼女は、空に向かって大きく体を伸ばす。
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