【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・

ストーリー, 感動

とある住宅街の一角にあるマンション……僕は、その前に立っていた。

さしずめ王様に褒美をもらう前の勇者か、はたまた魔王との戦いを目前に控えた勇者か……

どちらしても、僕は勇者という器ではないのだが。

それはいいとして、なぜか急に自宅に招かれることに。

彼女情報によると、実家は他所にあるらしく、現在はルームシェアをして住んでいるとか。

そして同居人が今日は仕事で遅くなるため、一人で食べるのも寂しいし、せっかくだから一緒にどう?的な話の流れとなったわけだ。

……ちなみに、それを理解するのに、数十分を要していた。極度の恥ずかしがり屋症候群に陥った彼女の言葉は、中々解読が困難なのだ。

「……さて、行くか……」

生唾を飲み込み、僕はその場所に侵攻した。

マンションはオートロック式であったため、エントランスにあるインターホンで彼女の部屋の番号を押す。

『――はぁい』

彼女の声だ。

「ええと……の、のび太だけど……」

『あ!い、いらっしゃい!ちょっと待ってね―――』

彼女の言葉に続き、自動ドアが開く。

『……いいよ。入ってきて』

「おじゃまします……」

まだ彼女の部屋についたわけではないのに、なぜかそう言ってしまった僕は、やはり緊張しているのだろうか。
何はともあれ、僕はついに彼女の部屋へと向かうことになったのだった。