【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・

ストーリー, 感動

 

(ここが、彼女の部屋……)

部屋の前に立ち尽くす。目の前に扉があるのに、凄まじく遠くに感じる。

どうやら僕は、相当緊張しているようだ。

それもそうだろう。しずかちゃん以外の部屋に入るのは、これが初めてだった。

ちなみに、しずかちゃんの部屋も、中学に入ってからは入ってはいない。

そう言う意味では、女性の部屋に入ること自体が、初めてと言えるのかもしれない。

おそるおそる呼び鈴を押す。

「――は、はい!ちょっと待って――!!」

中から玄関に、小走りする音が響いて来る。

そして……

「お待たせ!!」

ドアは内側から勢いよく開かれた!!

―――僕の顔にぶつかりながら……

少し、ドアに近付き過ぎていたようだ。

「ああ!ごめん!……大丈夫?」

悶絶する僕を心配する彼女に、とりあえず痛みに耐えて笑顔を見せた。

 

「……う、うん。大丈夫だよ」

「………」

彼女は、僕の顔を見つめる。

「……のび太くん……」

「え?な、なに?」

「――鼻血出てるよ!!」

「え?――――ああああ!!」

二人でギャーギャー騒ぎながら、すぐさま家に上がり込み、止血をした。

……初めて彼女の部屋に訪れた僕は、いきなり、鼻血の治療をすることになった。

(か、カッコ悪い……)

「……ホントにゴメンね……大丈夫?」