【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・
彼女は、進む時計の秒針を、どこか名残惜しそうに見つめる。どうやら、もっと話したいようだった。
「……もう少し、話そうか」
「え?で、でも、遅くなっちゃうし……」
「少しくらいなら大丈夫だよ」
「……ありがとう。のび太くん、やっぱり優しいね……」
そう言うと、彼女は笑みを浮かべながら、コーヒーのカップを見つめた。
「私ね、今、本当に幸せなんだ。こうやってのび太くんに料理作ってあげれたし」
「……咲子さん……」
「実はね、私の料理食べた男の人、のび太くんが初めてなんだよ?」
「そうなの?」
「うん。私、昔から料理を手伝ってたんだ。お母さんの真似をして、お姉ちゃんに味見してもらって……いつか、大好きな人に作ってあげたい……そう思ってたんだ」
(……ということは、あのギャップ料理は、そこで培われたのか……)
「だから、今その夢が叶って、とても幸せなの。……ありがとう、のび太くん。私、あなたと出会えて良かった……」
そう話す彼女は、目に涙を浮かべていた。自分の気持ちを素直に表現し、今僕に見せている。それが、とても嬉しかった。
「……僕も、咲子さんと出会えて良かったよ……」
「のび太くん……」
「………」
部屋は、静まり返っていた。
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