【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・
咲子さんは、僕の腕を引っ張り始めた。人通りの多い道路を、僕らは歩く。すれ違う人は不思議に思うかもしれないな。笑顔で男を連れまわす女性と、腕を引っ張りまわされる男。
(完全に、立場が逆だな……)
そうは思いつつも、なされるがままになるしかなかった。
「――ふ~。さすがに疲れたね。ちょっと休憩しよ」
少しだけ強く息を吐いた咲子さんは、ショッピングモールの片隅にあるベンチに座り込んだ。そして僕もまた、そこに座った。
「……賛成」
さんざん町内を連れまわされた僕は、けっこう限界に来ていた。さすがの咲子さんも疲れたようだが……それでもまだ余裕がある。タフだな、この人。
「私、ちょっと飲み物買って来るね」
「うん。分かった」
「待っててね!」
そう言い残し、咲子さんは走り去って行った。遠くなる彼女の背中を見送った後、上を見上げてみた。
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