【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・

ストーリー, 感動

 

治療を終えた彼女は、申し訳なさそうに声を出す。

「いや、そもそも僕が悪いんだし。心配かけてゴメンね」

「ううん。大したケガじゃなくて本当に良かった……」

そう言って、彼女は胸を撫で下ろした。

そこでようやく、彼女の部屋を見渡してみる。

部屋は、実に女の子らしい部屋だった。家の至る所に、ぬいぐるみが置かれている。きちんと掃除も行き届いているし、散らかってる様子は一切ない。

部屋の中では、仄かに甘い香りが広がる。どうやったらこんな香りが充満するのか、ぜひ知りたいところだ。

その香りの中には、何やら不思議な香りが混じっていた。

「ん?この香り……」

「うん。もう料理出来てるよ」

そう嬉しそうに話すと、彼女は小走りでキッチンへと向かう。

そして皿を取り出し、よそおい始めた。

そのキッチンで、僕のためにいそいそと料理を作る彼女の姿を想像しただけで、なんだか幸せな気持ちになる。

「――お待たせ」

準備が終わったところで、彼女は少し恥ずかしそうにそう呟いた。

「こ、これは……!!」

目の前にテーブルには、所狭しと料理が並ぶ。どれもこれも美味しそうだ。美味しそうだが……!!

(す、凄まじい量だ……!!)

テーブルは中々広い。そこに隙間なく埋められた料理の数々。これは、何人分だろうか……

「いっぱい作ったから、たくさん食べていいよ!」

嬉しそうに話す彼女。嬉しいさ。それは嬉しいけど、ちょっと食べきれそうにはない。

それでも、彼女が一生懸命作ってくれたものだ。

僕は、残さず食べることを決意する。まさに、決死の覚悟だった。

まず先に、スープを一口すする。

「………」

「………どう?」

「うん!凄く美味しい!」

「ホント!?良かったぁ……」

スープはかなりの美味。だがしかし、見た目はコンソメスープなのに、味は全然違っているのはなぜだろうか。