この世にコーヒーがなかったら、この世界はまったく違うものになっていたかも!!

労働者たちにとっての
強力なエナジードリンク

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18世紀半ばから19世紀にかけて起こった、産業構造の変化は社会経済の仕組みをガラリと一変させ、近代化社会の幕開けを告げました。この事実だって、コーヒーなしでは実現し得なかったもの。

過酷な労務を絶え抜く労働者たちは、1杯のコーヒーとカフェインがもたらすエネルギーに大きく依存していたようです。当時、大衆の飲み物として広く普及していたとはいえ、労働者はごくわずかな賃金を手にするなかで、コーヒーは数少ない贅沢であり、楽しみのひとつだったのです。

戦場のコーヒーは
兵士に束の間の休息を与えた

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コーヒーが初めてアメリカ軍の配給となったのは、第一次世界大戦中のこと。激しい戦闘の合間に兵士たちがコーヒーを愛飲し、精神を安定させていたことは、容易に想像がつきます。戦後ほどなくして、米国のコーヒーハウスの店舗数は、戦前のおよそ450%増と急拡大しました。現在のアメリカンダイナーの原型になっているのがまさにコーヒーハウス。

データによれば、第二次大戦中、アメリカ兵一人あたりの年間消費量は約14.7kgという数字があります。遠い異国の地へ戦いに赴いた彼らだけでなく、国内で戦争を支えてきた国民一人ひとりが、しばし不安から解放される、コーヒーブレイクとして愛されていた様子。

ベトナム戦争の頃には、完全にコーヒーは米軍やアメリカ文化の象徴に。兵士たちがジャングルの中でコーヒーをつくり、休息を取る姿は、報道写真を通して世界中に知れ渡ることとなりました。

今日、アメリカ人は1日あたり約1杯のコーヒーを飲んでいます。栄養学の専門家からは、もっと飲むべきという声もあります。コーヒーが歴史に与えてきた影響を考えると、カップの量をもう3〜4杯増やしてもいいのかもしれません。