【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・

ストーリー, 感動

 

 

(……って、他人事みたいに言ってる場合じゃないよな)

「……し、しずかちゃん?」

「………!!」
「あっ!しずかちゃん!」

僕が一声かけた瞬間、彼女は走って帰って行った。

この場合、どうすれば良かったんだろう――

自分の行動の選択肢すら思い浮かばなかった僕は、その場で立ち尽くす他なかった。

「……ごめん」

ふと、後ろからか細い咲子さんの声が聞こえた。見れば彼女は目を伏せ、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
……これも、僕のせいなのかもしれない。

彼女に、非があるわけがない。彼女はただ、僕の身を按じていただけなんだ。

「……会社、行こうか」

「え?」

「遅刻しちゃうよ?」

「のび太くん……」

……だから僕は、今自分に出来る精一杯の笑顔を彼女に見せた。

それから、僕らは仕事に行った。

ドラえもん、僕は、これからどうすればいいんだろう……

君がいれば、何か不思議な道具で何とかしてくれるんだけどね……

――ふと、そんなことを考えた。

でも、彼はいない。いないんだ。

だからこれは、僕が何とかしなきゃいけないんだ。

そうだよね?ドラえもん……