【涙腺崩壊】のび太『あれからもう10年か……』ドラえもんがいなくなってからののび太の成長、ドラえもんのその後が泣ける・・・
とても、『先日遭難を助けたのは実は子供のころの自分だったからそれを伝えに来た』なんて言えない。
言えるはずもないだろう……
「……あの、ご用件は?」
さすがの受付の人も、不信感に満ちた視線を送り始めていた。もう少ししたら、おそらく警備員が直行してくるだろう。
それはマズイ。さすがにマズイ。
かと言って、なんて説明すればいいかも分からない。
それでも、このまま通報されるくらいなら……僕は、腹をくくった。
「……あの、実は先日―――」
「―――おやぁ?キミは、いつぞやの―――」
意を決し、途轍もなく嘘くさい純然たる本当の用件を口にしようとした直後、背後から声がかかる。
ゆるりと後ろを振り返れば、どこかで見た人が……
「―――ええと、舞……さん?」
「よっ、のび太!久しぶりだねえ!」
舞さんは、相変わらずの笑みを見せながら、僕に挨拶をした。
「――残念だったな。急な用件か?」
「そ、そうではないですが……」
会社の屋上で、僕と舞さんは柵に寄りかかりながら話をしていた。
そこで舞さんは、しずかちゃんが出張中でいないことを告げてきた。
完全に予定が外れた僕は、残念な気持ち半分、ホッとした気持ち半分の、複雑な心境で缶コーヒーを一口飲み込んだ。
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