格安海外パックツアーは 「ホテル代ゼロ」でも利益UP?学校じゃ教えてくれない「原価の話」
格安海外パックツアーは「ホテル代ゼロ」でも利益UP
旅行会社が主催する格安パックツアーは、国内外問わず、安心して参加できることもあり、幅広い層のお客さんから支持されている。が、ウラにはいろいろと仕掛けがある。
パックツアーが格安になる第1のワケは、免許を持った旅行業者が航空会社やホテル、旅館などから航空券や部屋を一般の「割引料金」よりはるかに低い価格で一定数、確保していることだ。これは「30%割引」「半額」も当たり前という割引価格。
第2のワケは、旅行業者が販売して売れ残った部分を、小売業者にディスカウントで売る。この段階でもさらに格安となる。
第3のワケは、航空便の選択。海外旅行のパックツアーの価格は、その70%が航空運賃で、仕入れ原価を抑えるために、比較的「不便な時間帯」の航空便などが使われる。
たとえば香港パックツアーでは、出発日の夜に目的地に到着し、帰国日は朝早く出発する便だったりする。これだと「2泊3日」のツアーでも実質、現地の観光や買い物がたっぷり楽しめるのは「1日」だけとなるのだ。
意外なアレ…
そもそもブランドのバッグの原価率は20%前後。この20%という数字は、ネットショップで50%引きの価格で売られることから導き出される。例えば、30万円のバッグであれば、ネットでは15万円程度で入手可能。ネット販売の粗利が50%とすると、本体のバッグの原価は25%。そこから、宣伝・販売経費を差し引くと20%程度になるという計算だ。
さらにそのバッグのはし切れを利用したキーホルダーの原価は実質的に金属部品代と加工賃のみ。フランスの有名バッグメーカーのキーホルダーは、単なる「ブランドロゴ入りの南京錠」だったりするが、約1万円という値段がついている。
これは20万円、30万円という価格のブランドバッグに手が届かない高校生などの若年層をターゲットとしたもののようだ。東京・銀座や青山、表参道あたりのブランドショップにやってきた若者たちが、「なにか買って帰りたい!」という衝動に突き動かされる心理はわからないでもない。そこでなんとか購入できる価格の1万円〜2万円という設定のキーホルダーが選ばれる。
地価がべらぼうに高い一等地に出店したブランドショップとしては、来店したお客さんにはとにかくなにか買って帰ってもらいたい。そんなショップ側の意図と、若年層のブランドへの強烈な憧れが生み出したのが、原価率が極限まで抑えられたブランドキーホルダーなどの小物だったというわけだ。
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